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病まない

無痛分娩での出産レポート3「トンカツ、そして初めての対面」

こんにちは、ぽっぽ先生です。ここ数日、東京は晴れて天気も良く、夏のように暑い気候になりました。フーさんが生まれてもうすぐ1ヶ月。春生まれだからと思って産まれる前に長袖で風通しの良い服を色々用意していたのですが、そろそろ夏服も用意してあげないとな〜と思っています。

さて、これまで数回に分けて執筆してきた『無痛分娩での出産レポート』も今回で最終回です!無事に産まれるまでのラストスパートの話を書きます。


▼過去の記事はこちら

無痛分娩での出産レポート1「陣痛とオマール海老」

hnpp.hatenablog.com

 

無痛分娩での出産レポート2「分娩台で団イベ」

hnpp.hatenablog.com

 

〜前回のあらすじ〜
陣痛が来ていて子宮口もだいぶ開いているものの、お腹の中の赤ちゃんが全く降りてくる様子が無いと主治医の院長先生に告げられたわたし。このまま様子は見るけど、もしかしたら赤ちゃんが降りてこられない理由があるかもしれないから、場合によっては帝王切開になるかもしれない、と。

そう言われてわたしは「帝王切開かー、お腹切るのは嫌だけど子どもが無事ならそれが一番いいな…」なんてぼんやり考えました。その時、帝王切開になるかもしれないことにショックはそれほどありませんでした。

というのも、36週くらいの健診でエコーを見た際に「へその緒が首のあたりに二重に巻きついている。もしかしたらあと2週間でほどけるかもしれなけど、場合によっては帝王切開になるかもしれない」ということを言われていました。
その健診の直後はやっぱりショックだったし、不安もあったけど、何よりも子どもの命が最優先だから!と、事前に覚悟を持つことができていたのです。いま思えば当日分娩台の上で変に取り乱さずに済んだので、結果的に良かったのかも。

 

不安要素がありつつも人工破水へ 

午前11時過ぎ、再び院長先生がやってきて「破水の処置をします」と言いました。内診の時と同様に下から手を突っ込まれた次の瞬間「パチン!」という音。と、次の瞬間に股の間から生ぬるい液体が出てくるのを感じました。痛みは全く無いけど何だか不思議な感じ。
少し上体を起こして股間の方を見てみると、先生の手に小さなハサミのような器具が握られているのが分かりました。え、あのハサミを中に突っ込まれて何やら内臓の膜を切られたのか…と思うとちょっとゾワッとしたけど、麻酔のおかげで全く痛みを感じずに済みました。

「破水したから、これでしばらく様子を見ましょう」と院長先生はそう言ってすぐに部屋を出て行きました。助産師のワタナベさんだけ部屋に残っていたのですが「麻酔ってすごいよね〜。もし無痛じゃなかったら、今ごろ痛みで叫んでたと思うよ」と、軽く怖いことを言っていました。
※自然に破水するときは痛くないらしいけど、人工破水はかなり痛い、とどこかのブログで読んだので、多分そうなんだと思います…。 

しばらくしてワタナベさんが「朝早かったし、眠いんじゃない?まだ時間かかると思うから、少し寝てていいよー」と、部屋を出る時に電気を消していってくれました。なんて優しい人なんだろう…と感動しながら、わたしは再びスマホを取り出してグラブルの団イベを再開しました。寝るくらいなら肉を集めるぜ!!


ちょうどこの時、早めにランチを済ませるため数十分前に病院を出ていた夫から、LINEで「行こうと思ったお店が定休日で開いてなかった」と悲しみを湛えたメッセージが送られてきました。駅前の牛丼屋で軽くすませる、とかじゃなくて、わざわざ食べログで評価の高い店を見繕っていたらしい。これから子どもが産まれるというのにこの余裕!わたしは産むまで絶食だというのに…!!

この時は、まさかこれが後々のトラブルへのフラグだったとは思いもしませんでした。

 

先輩ママとしばし雑談

それからしばらく、薄暗い部屋で一人黙々とボスを倒し続けていました。とはいえ、静かな部屋にモニターの音だけが響く中、単調作業ばかりやっているとさすがに眠気が…。気づいたら10分ちょっと寝落ちしていました。

目が覚めた時にちょうどワタナベさんがわたしの様子を見に来てくれたのですが、すぐに「あ、いけない!」と言ってわたしの右腕の方に駆け寄ってきました。

何だろう?と思って見てみたら、点滴が抜けてしまったか何かで血液が逆流して、右腕のあたりが血まみれバイオハザード状態に!急いでワタナベさんが点滴を直してくれたり、汚れてしまったベッドを拭いてくれたりしました。

その時、もろもろの処理をしながらワタナベさんが「お仕事はいつまでしていたの?」とか「どんなお仕事してるの?」とか雑談をしてくれて、ワタナベさん自身も2人の子どもを育てながら助産師の仕事をしている話をしてくれました。

「夜勤とかはできないから、昼間だけ働かせてもらってるの。大変だけど、楽しいよ」って、生き生きと話してくれたのがすごく印象的でした。

助産師とは女性だけができる仕事なので、いわば女性社会。しかも子どもに関わる仕事だから、子育てしながら仕事を続けたい人にもやっぱり融通がききやすいのかな。でも全員が全員子育てママだと夜勤が出来るスタッフがいなくなっちゃうし、なかなか難しいですよね。と、詳しい事情はわからないけど、わたしもいずれは職場復帰を目指している身なので、仕事は違えど子育てしながら生き生きと働いているママ先輩を目の当たりにして、なんだかすごく勇気が湧きました。素敵だなぁ。

 

リフレク無効からの急展開

そうこうして過ごしてるうちに、時刻は午前11時半を少し過ぎたところで突然ものすごい腹痛が襲ってきました。陣痛計測のモニターを見ると、どうやらモニターの数字が上がっている時にあわせて痛みが来ているようで、すぐに陣痛の痛みだと気がつきました。

麻酔をしているはずなのに普通に痛い。例えるなら、リフレクかけて安心してたと思ったら、アルテマがリフレクを貫通してダメージを受けているような感じ。顔をゆがめてしまうくらいの痛みではあるけど、泣き叫ぶほどではなかったので、それでもやはり麻酔の恩恵は受けていたんだなと感じました。これ、麻酔無しだったら本当に本当に地獄の痛みでしょうね。

「痛みを感じたらすぐ教えてください」と麻酔科の先生も言っていたので、痛みが来ていることを報告。するとすぐに背中のチューブから麻酔を追加してくれました。数分後には先ほどまで感じていた重い痛みも消えて、陣痛が来るたびにお腹が張る感じだけが残りました。

この時自分でも「今すでにこんなに強い痛みが来ているということは…」と薄々感じていたのですが、正午12時過ぎにワタナベさんが内診してくれた時、若干「しまった」というような感じの笑顔をみせたことを見逃しませんでした。

「あのね、いまもう子宮口全開になってる。いつでも産めるけど、ご主人はまだ戻ってこないかな?」

なんですと???


ほんの1時間ほど前は「夕方くらいまでかかるだろう」と言われていたのに、まさかの急展開!!ランチ難民になっていた夫はまだ帰ってきておらず、あわててLINEを開いてみたところ

夫「結局トンカツ屋さんに入ったよ」

と、数分前にトンカツの写真付きで連絡が来ていました。

トンカツ食ってる場合じゃねぇぞ!!!!!!!!


「もう産まれそうみたいだからいち早く戻ってきて!」と、普段の3倍くらいの速度で連絡するも、なかなか既読がつかず。

ワタナベさんに「すみません…夫はいま、トンカツを食べているようなんですけど、まだ待てますか…?もしダメなら立ち合いは諦めて、子どものこと最優先でお願いします…」と、大変申し訳なさそうに言ったら、「あ、そうなんだ(笑)まだ大丈夫だから、戻ってくる時間わかったら教えてね」とめちゃくちゃ苦笑されました。

慌ただしくお産の準備が進められる中、連絡をしてから15分後くらいにようやく夫が到着。食べ終わってすぐに走って戻ってきたようで「口からトンカツが産まれそうだ…」と言っていました。わたしは下から子どもが産まれそうだよ。

 

フーさん誕生へ

助産師さん3人と麻酔科の先生、そして全速力で戻ってきたから若干グロッキーな夫。ようやく全てのパーティーメンバーが揃ったところでいよいよお産本番!今まで寝ていた分娩台が動き出して、診察台のように両脚がM字開脚状態で腰よりも高い位置に上げられました。
担当助産師のワタナベさんが「いいお産にしましょうね!私が責任を持って取り上げるから安心して!」と笑顔で励ましてくれて、わたしもやる気スイッチが入りました。


実を言うと最後のお産の時は必死すぎてあんまり覚えていないのです。無痛分娩は、痛みが無い分いきむのが難しくて、例えるなら「便意が全く無いのにふんばって出さなきゃいけない」みたいな状態。痛くは無いけど股の間に大きなボールみたいなのが挟まっているような感覚だけはありました。

ただ、事前に先生から「無痛分娩はいきむのが難しくて、あまりにお産が長引くと吸引分娩になってしまう可能性がある」と言われていました。吸引分娩はその名の通り、赤ちゃんの頭に器具を取り付けて引っ張り出す方法。赤ちゃんの頭が一時的に変形(伸びたり)してしまったりすることもあるそうです。
いろいろな理由でその方法を選択せざるを得ない状況ならともかく、自分の頑張りが足りないせいで子どもに負担をかけるのは極力避けたかったので、とにかく必死に、でも助産師さんのアドバイスを忠実に守って、陣痛の間隔に合わせていきんでいました。

あ、でもいきんだ瞬間に何度かものすごい音量でお腹が「グ〜〜」と鳴って、すっごい恥ずかしかったのは覚えています。エドはるみか!(古いし寒い)

そして本格的にお産が始まって15分程度。12時52分に、フーさんは無事産まれました。陣痛が始まって、いろいろあったようであっという間の4時間半でした。
思いもよらぬ急展開で、先生や助産師さんたちに言われていたよりもずっと早く産まれて「初産とは思えないね!」と言われましたが、何事もなく母子ともに無事、健康に出産できたことは何より良かったです。


ちなみに初めてフーさんの泣き声を聞いたときの感想はヨッシーアイランドのマリオの泣き声に似てる…」で、最初に対面したときに初めてかけた言葉は「大丈夫??」でした。(元気よく泣きすぎて過呼吸みたいにヒィヒィ言ってたから)

 

無痛分娩を選んで感じたこと

最後に、無痛分娩で出産を終えて感じたことを率直に書きます。わたしの個人的な意見なので、こういう考えもあるんだな、くらいで読んでもらえたらと思います。

まず、わたしは無痛分娩を選んで本当に良かったと思います。リラックスしてお産に臨めたし、出産を終えた当日の夜からスタスタ歩けるくらい元気で、翌日から始まる母子同室にも体力に余裕を持って対応することができました。もともと体は丈夫な方なので、産後の回復もすごく早かったです。翌日から母子同室が始まって精神的にしんどくなったので、体力が残っていたのは本当に助かりました。


ただ「苦しい思いをして産んだからこそ我が子が可愛い」という意見も、気持ちの面では理解できます。でも一つだけ言わせてください。産まれてきた子は、お腹の中にいた時に想像していた1000倍くらいは余裕で可愛いです

そして、無痛だからといって体へのダメージがゼロではないです。わたしも出産の最後にいきみすぎて、ま○この内側がビリビリに裂けてしまい、数針縫合しています。しばらくは股間の痛みが続いていたし、後陣痛も結構辛かったです。どんな方法を選んでもノーダメージで出産というのは無理な話なので、ダメージを軽減するプロテスみたいなものだな〜って思いました。

妊娠中は出産=ゴールみたいに感じている節もありましたが、実際は産まれてからこれから、10年、20年と続く子どもとの生活が本番。新たな生活のスタートを切る「出産」というイベントが素敵な思い出になるように、その人に合ったお産の方法を選べるのが一番良いと思います。
その中で「無痛分娩」という"選択肢"が一方的な悪者にならずに、これからも妊婦さんの選択肢のひとつとして普及していってほしいなと思いました。


あ、でも無痛分娩にも良し悪しはあるし、場合によっては帝王切開になってしまうこともあるので、何よりも信頼できる病院(先生)を探すこと、そして不安なことは事前にしっかり確認することは忘れないでくださいね!

 

そういえば、入院するときの荷物の中に、夫が買ってきた&友人がくれた安産祈願と、グラブルの団長が入院の2日前に「これを私だと思って出産頑張って」と言ってプレゼントしてくれた気持ち悪いぬいぐるみを入れておきました。

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いろんなパワーをいただいたおかげで、安産だったのかも!ありがとうございました!!