ハニポッポ

オタクの月次報告会

小室哲哉さんの引退騒動に思う介護のつらさ

先週、ネットやワイドショーを騒がせた、小室哲哉さんの不倫疑惑報道と突然の引退会見。

わたしが小学生の頃、運動会のダンスでtrfの「survival dAnce」を踊りました。中高生の頃、恋と失恋を繰り返してはむちゃくちゃやってた黒歴史時代、globeの曲が大好きでCDを繰り返し繰り返し聴いていました。KEIKOさんの力強くて突き抜けるような高音が大好きで、いろんな曲に励まされ、元気をもらっていました。

ものすごい大ファン、というには到底おこがましいけれど「青春時代に一番聴いた音楽です」と胸を張って言えるくらいには敬愛していたアーティストでした。だからこそ、今回の小室さんの引退は非常に悲しく、無念な気持ちになりました。

 

ここからは、小室さんとは状況が異なりますが、わたしの家族に関する「介護」の話です。

実を言うと、わたしの父方の祖母(95歳)も要介護認定を受けており、実家で母が介護しています。今年四月にわたしが長女を出産して数週間里帰りしたのですが、祖母の介護が始まったのもその頃でした。本当は一ヶ月ほど里帰りする予定だったのですが、祖母の介護を抱えた母に遠慮して、予定よりもだいぶ早く自宅に帰りました。

母は「ふーちゃん(孫)がお母さんの癒しだから、気にしなくていいのに」と言いましたが、実はその時わたしの言葉には少しだけ嘘が混じっていました。

本当のことを言うと、初めての育児でまったく余裕が無い状態のわたしは、介護の「現実」を間近で見ていることに耐えられなくなってしまったのです。

たとえば、わたしは子どもを産んで初めて、自分以外の人間の排泄物を毎日処理するという経験をしました。自分の子どものおむつの処理なら苦にならない…というのは確かにそうですが、時にはうんちが暴発して服をぐちゃぐちゃ汚し、布団まで汚物まみれになってしまうことだってあります。そんな時は、仕方ないことだとわかっていてもため息をつきたくなってしまうものです。

それが、血の繋がらない義理の母親だったらと思うと…その苦労は想像に難くありません。でも、寝たきりの老人の介護はそういうことなんです。母は、毎日三食かならず祖母のご飯を作り、排泄処理をし、体を拭いて…と面倒を見ています。デイサービスなどを利用することも考えたそうですが、めちゃくちゃ頑固な祖母は「絶対に嫌だ」と癇癪を起こしたそうです。

祖母は定期的に病院で検査を受ける必要があるため、車で送り迎えをしているのですが、ある時車の中で癇癪を起こされて、走行中の車のドアを開けて飛び降りようとしたこともあったとか。

そんな生活で、ストレスが溜まらないはずがありません。

いつもは温厚な母親ですが、いつからか祖母を怒鳴りつけることが増えました。里帰り中、母が祖母を怒鳴る声で、ようやく寝かしつけた娘が起きてしまったこともありました。でもわたしはそんな母を責めることはできません。母から祖母の介護に関する愚痴も、毎日のように聞いていました。

しかし新生児を抱えるわたしも正直余裕がなくて、つられてどんどん気持ちが落ち込んでしまい、夫に相談して早めに里帰りを切り上げて自宅に帰ることになりました。

介護に苦しむ母の力になれない不甲斐なさもありました。でも、娘と接している時の母は本当に嬉しそうで、今でも二週間に一回は娘を連れて母に会うようにしたり、年に数回旅行に連れて行ったりしています。それが、せめてもの親孝行だと信じて。

 

小室さんの話に戻ります。介護をしている当事者ではありませんが、家族を介護することの大変さを少しだけ身近で見てきた者として、今回の件はとても心苦しく思いました。
愛する妻がどんどんコミュニケーション能力を失っていく悲しさ。それでも面倒を見続けていかなければならない辛さ。自身の病気に向き合う苦しみ。自分の音楽家としての能力への葛藤。会見を見ていて、ここ数年の小室さんは吹けば飛ぶような精神状態の中で生きていたのでは無いかと思いました。きっと、件の看護師さんは文字どおり「支え」になっていて、その「支え」を第三者によって外されてしまったことにより、もう自分で立っているのも困難な状態になり、引退を決めたのかなと。


わたしの母にとっての支えは何だろう。たぶん、父を含めたわたしたち家族なんだと思います。しかし、父は数年前にステージ3の肺がんを患い、現在も定期的に通院して療養中です。幸い現在は元気ですが、いつまたがんが再発してしまうかも分からないし、もしも父が倒れてしまったら、祖母の介護に加えて、母はどうなってしまうのだろう、という不安はあります。
でも、これから何があっても、きょうだいや家族で支え合って母をフォローしていこうと話しています。

人は一人じゃ生きていけません。支えがなくなったら、どんなに強い人だって簡単に崩れてしまうと思います。

小室哲哉さんが、また心の底から笑顔になれるように、幸せを願ってやみません。