ハニポッポ

オタクの月次報告会

下手くそでも絵を描き続けていればよかったなぁ、と思う。

わたしは昔、絵を描くのが大好きな子どもでした。漫画を読むのもアニメを見るのも大好きだったので、好きなキャラを自由帳にたくさん描いたり、自分で考え出したオリジナルキャラや、時には漫画も描いたりしていました。

中学、高校になっても絵を描くことは好きで、時代の変化とともにパソコンで絵を描く方法を学び、バイトで貯めたお金でペンタブレットを買ったり、フリーソフトで色をつけたり、自分なりにお絵かきを楽しんでいました。

そんなわたしが、絵を描かなくなったことには明確な理由があります。それは、自分で開設したホームページに自作のイラストを載せていた頃の話です。

匿名で寄せられたメッセージに「そんな下手なイラストを載せて、よく恥ずかしくないな」と書かれていたのが原因でした。

いま思えば、全く気にするほどのことはない嫌がらせでした。でも、当時まだ10代で、今ほどネットが普及していなかった頃の時代。見ず知らずの人から向けられる「悪意」が怖くて、悲しくて、そして何より「自分は恥ずかしい行為をしていたんだ」と思ったら、情けなくて泣きたくなるような気持ちになり、その後逃げるようにHPを閉鎖しました。

 

それから10年以上経ったいま思うのは、たった一人の言葉で大好きだった趣味を捨ててしまったのはとても勿体無かったなということです。新しいジャンルにハマると、どうしてもオタクの血が騒ぎ、二次創作で自分なりの妄想や表現をしたくなるもの。幸い、わたしは20代になってからコスプレという新たな趣味に足を踏み入れたおかげで、お絵かき以外にも自己表現の場を得ることができました。でも、時々やっぱり絵だったり、時には漫画で自分の妄想を形にしたいなと思うことがあります。

今からでも遅くはない。好きなら描けばいいじゃないか。…その通りだと思います。

描くこと自体はできます。練習すれば上達もするでしょう。ただ、思春期に受けたダメージがトラウマになり、自分が真剣に描いた絵を人に見せるのが怖いのです。何度かまた絵を描こうと試みたのですが、昔ほど情熱を持って描けずに挫折してしまう…というのを繰り返しました。

誹謗中傷という点で言えば、コスプレの方がたくさんされたと思います。嫌がらせもまぁ、いろいろありました。でもコスプレは前述の通り開始時期が20代だったのでそこそこメンタルも強くなっていたこと、早い時期に信頼できる友人をたくさん作れたことなどがあり、貶されて悲しい気持ちは確かにあったけど、励ましてくれる友人や応援してくれる方のおかげで続けることができました。

いま現在に不満はないですが、時々「もしあの時めげずに好きなことを続けていたら、また違った未来が待っていたのかもしれない」と思うことがあります。でも、その未来を選び取れなかったのは、自分の弱さです。

 

だからこそ、大人になったいま伝えたいことがあります。

他人にバカにされたって、本当に好きなことは辞める必要は無いし、何も恥ずかしいことは無いんです。他人の好きなことを無責任に中傷する人の方が、よっぽど恥ずかしい人間だとわたしは思います。

10代のわたしはそんな風に思える余裕も無かったし、反論すらできずに泣き寝入りしてしまったけど、今もし悩んでる人がいたらどうか自分の好きなものに胸を張って生きて欲しいです。

だから、わたしは下手くそでも絵を描き続けて自己表現の方法を広げていたら、今もっと趣味を楽しめていただろうなあと残念に思います。なので、お絵かきが好きな人は、ぜひその趣味を大切にしてほしいのです。

描けない人からの切実なお願いでした!