ハニポッポ

オタクの月次報告会

保育園落ちた時の話

いつか書こう書こうと思っていた、保活に惨敗した時の話。そろそろ来年の申し込みの話もちらほら出てきて、そういえばまだ書いてなかったなと思い出したので書いてみようと思います。ちなみに、そんなに楽しい話ではありません。

希望していた保育園、全部落ちた

忘れもしない冬の日、2月。認可保育園の申し込みの結果は郵送で届きます。投函日は事前に明らかになっていたので、前日から落ち着かない様子で何度も何度もポストを覗きに行きました。

2017年4月に長女を出産して、保活を始めたのは17年の7月。首がすわったばかりの娘を抱えて、暑い中保育園の見学に何園も足を運びました。受かるかどうかは役所の人の采配だから、保育園の人に媚を売ったところであまり意味は無いのかもと思いながらも、挨拶は爽やかに、説明は熱心に聞いて、時には質問なんかもして、自己アピールをしました。就活か。

申し込みは初日の朝に駆け込んで、混み合う役所で2時間くらい待って手続きを済ませました。その際、担当の人が書類は揃っているか、不備は無いか確認してくれるのですが、その時も「よろしくお願いします!」と元気よくアピールをしました。就活か。

期待と不安が入り混じる中、2月某日の夕方。その知らせは分厚い封筒に入れられて我が家のポストの真ん中に鎮座していました。会社の先輩からの「封筒が分厚いと、保育園落ちてる可能性が高いんだよ」という何気無い雑談の中で言われた言葉を思い出しました。真冬なのに、どっと冷や汗が噴き出るような感覚は今でも覚えています。ひとまず封筒を抱えてそそくさと家の中へ戻りました。


開封の結果は、タイトルのとおり。不承諾通知と書かれた、要約すると「あなたのお子さんはすべての保育園に落ちて待機児童になりました」という内容。後頭部をガツンと殴られたような気持ちでした。何ならちょっと星が見えました。
まるで就活のような保活をしていたけれど、全然違った。自分の頑張りや人となりは全く関係なく、ただ点数だけで拒否されてしまった。そう思ったら、必死にアピールしまくっていた自分がただただ滑稽に思えました。

が。落ち込んでいる暇はありません。落ち込んでいたって子どもは泣くしお腹を空かせるし、構えとせがみます。マジで落ち込む隙も与えてくれません。とりあえず、冷静さを取り戻しつつ今後の進退を考えます。

 

意地でも復帰か、育休延長か


詳細は調べてもらえば分かると思うので省きますが、保育園(ここでいう保育園は認可保育園を指します)に落ちても、何とかして子どもを預けて働きに出ることができ…る可能性があります。それは月々10万円ほどのお金を払って、認可外保育園に預けることです。(※この金額は住んでいる市町村や環境によって異なります。あくまでうちの場合、です)

月々10万円。なかなか残業もできず、時短で働くことになるわたしのお給料の何パーセントを占めるのだろう。そのお金の分でもう少し娘との思い出を増やせるんじゃないか?いや、でもあんまり長く休むと会社に悪いし、みんなにも迷惑かな。いや、でもわたし1人居なくて回らなくなるようなチームじゃないし、まぁ迷惑は迷惑だろうけど、一番大事なのはわたしと娘の人生なのでは???
と、そんな考えが頭の中をぐるぐるし続けました。

ちなみに、市町村によっては認可外保育園に通わせて職場復帰すると点数が上がるという地獄のようなシステムがありますが、わたしが住んでいる地域では認可外保育園に預けて復帰する人も、育休を延長する人も同列に扱われるため同じ点数になります。「母親自身がどうしても早く職場復帰したい」「職場や家庭の事情でどうしても育休を延長できない」といった事情が無い限りは、できるだけ育休を延長することを推奨しているような雰囲気でした。

 

保活戦争は一時休戦、子どもと一緒にいることを選ぶ

結論から言うと、わたしは来年(2019年)の4月まで育休を延長することを決めました。

中途半端な気持ちで中途半端なことをするくらいなら、いっそきっぱり諦めて、もう1年間子どもに向き合おうと思ったのです。

幸い、職場はこと育児に関してはとても寛大で「保育園入れなかったなら会社辞めてください」ということはありません。お世話になっているチームのメンバーや関係者にも事情を話して平謝りしましたが、皆さん一様に「こちらのことは大丈夫だよ。今しかできない育児をゆっくり楽しんでね」「たまには息抜きに、子どもを連れて会社に来てね」と優しい言葉をかけてくれました。

前々から良い職場に恵まれたと思っていたけど、娘を妊娠・出産するにあたって「この職場めちゃめちゃ良い職場だな…」と改めて気がつくことができました。離れてみて気づくあなたの良さ。
本当に自分は周りの支えられて生きていることを痛感したし、わたしももっと誰かを支えられる人間になりたい…と思ったものです。これは自分自身、成長できた部分かなと思います。


働かざるをえない環境の人もたくさんいる中で、この選択肢は「何を呑気に」と反感を買うものかもしれない。そういう思いもありました。
でもこれはわたしと家族の大切な選択であり、それは誰に何を思われても譲れないものです。誰かに申し訳ないから働く、なんていうのもおかしな話ですからね。母親であるわたしが、自分の意思をしっかり持って戦わねばならないのだと保活を通じて思い知りました。
いや、その前に保育園に預けたい人が、必要のある人が、みな預けたい時にきちんと預けられる行政であれば一番良いのですが。それは今言ったところでどうにかなるものでもありませんからね…。

 

保育園落ちてから半年が過ぎて

2月に不承諾通知を受け取ってから、半年が過ぎました。正直、2月3月あたりは結構落ち込んだり、わたしより数ヶ月後に出産した同期の子が、保育園が無事に決まったから4月から復帰することが決まったと連絡をくれたりして、「わたしは本当にこれで良かったのだろうか」と自分の決断に気持ちがぐらついたりしていました。

ただ4月が過ぎて、新年度が始まって、周りがどんどん前に進んでいくムードを感じてからは後ろ向きな気持ちもだいぶ吹っ切れました。いつまでもウジウジ落ち込んだり、先の不安ばかりで前に進めずにいたら子どもに申し訳ない。来年は絶対何としてでも復帰する!そして今年1年は「わたしはやってやったぞ!!」って思えるくらい、めいっぱい育児をする!!そうやって自分を鼓舞して何とか前を向くことができました。


娘が1歳を過ぎて、歩き出したり、簡単な単語を喋り始めたり、滑って転んで口から流血したり、ゴミ箱を全部ひっくり返したり…成長するにつれて嬉しいことも、大変なこともどんどん増えてきました。
自由時間は減るのにストレスは増えるし、24h対応だし、正直に言えばかなり息が詰まることもあります。それでもこれがわたしの選んだ道であり、運命であり、後で「わたしにとっては、この選択が正しかった」と胸を張って言えるように、今は今を頑張るしかありません。


いや正直言うと、0歳児クラスでも当選倍率5倍とかなのに、1歳児クラスになると10倍とか15倍になったりするんですよ。狭き門すぎて今も結構不安と恐怖で慄いているんですが、そこはなんとかできる限りのことをして手を尽くしていこうと思います。とりあえず日頃の行いを見直して善行を積むか〜〜〜〜(既に邪念まみれ)